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物流の「2024年問題」とは?原因から影響、荷主・倉庫運営者別の対策、2026年問題との違いまで徹底解説

最新更新:2026.10.13

2024年4月、働き方改革関連法による時間外労働の上限規制が、それまで適用を猶予されていた自動車運転の業務にも適用されました。これにより、トラックドライバーの時間外労働は、特別条項付き36協定を締結した場合でも年960時間が上限となっています。こうした規制強化に伴い、従来の長時間労働を前提とした輸送体制の見直しが必要となり、輸送力の低下や物流コストの上昇などが懸念されるようになりました。これが、いわゆる「物流の2024年問題」です。

実際には、ドライバーの労働時間の見直しにとどまらず、それに付随する運賃の改定や輸送力の低下、荷主企業のオペレーション変更など、サプライチェーン全体に波及する複合的な課題が顕在化しています。加えて、近年は「2026年問題」という言葉も耳にするようになりましたが、両者の違いを正確に説明できる方は決して多くありません。

「自社の業務にどこまで影響が及ぶのか」「今、優先して着手すべき対策は何か」「2026年問題とは結局何が違うのか」

こうした疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、2024年問題の背景と具体的な影響を「物流事業者」「荷主企業」それぞれの立場から整理し、今すぐ着手できる対策、そして2026年問題との違いまでを解説していきます。

物流の「2024年問題」とは?

2024年問題とは、2024年4月1日から自動車運転業務にも適用された改正労働基準法(働き方改革関連法)の時間外労働上限規制により、トラックドライバーの時間外労働に年960時間という上限規制が設けられたことをきっかけに、物流業界全体で使われるようになった呼称です。

働き方改革関連法から輸送力低下までの流れを示した2024年問題の概要図

トラックドライバーの時間外労働には、それまで実質的な上限がありませんでした。規制はこの状態に区切りを付けるものであり、運送業務のあり方そのものを見直す転機として位置づけられています。単に運送会社への影響だけの話ではなく、荷主企業や倉庫運営に携わる事業者にとっても、自社の物流体制を左右する前提として扱われている点が特徴です。

施行から2年以上が経過した2026年現在でも、「2024年問題」という言葉は、物流に関わる多くの事業者にとって、自社の対応を振り返り、今後を考えるうえで欠かせないキーワードであり続けています。

2024年問題の背景:働き方改革関連法の3つのポイント

2024年問題の背景となっているのが、働き方改革関連法による労働環境の見直しです。ここでは、物流事業者・荷主企業の双方に関わる以下の3つのポイントを解説します。

  • 時間外労働の上限規制(年960時間)
  • 「改善基準告示」の改正
  • 月60時間超の割増賃金率引き上げ

ポイント1:時間外労働の上限規制(年960時間)

トラックドライバーの時間外労働は、これまで臨時的な必要がある場合に労使間で36協定を結べば、事実上上限のない状態が続いていました。

【36協定とは】

36協定とは、労働基準法36条に基づき、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて残業させる場合に、使用者と労働者代表(労働組合など)の間で結ぶ書面協定です。労働基準監督署への届出により、時間外労働が法的に可能になります。

[参照元:労働基準法(e-GOV法令検索)]

しかし2024年4月1日以降は、特別条項付き36協定を締結する場合であっても、年960時間(休日労働を含まない)という明確な上限が定められています。これは、他の多くの業種に2019年から適用されている年720時間の上限規制とは異なる、自動車運転業務特有の規制値です。

この規制に違反した場合、事業者には6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金といった罰則が科される可能性があります。

この上限規制は、運送会社自身の労務管理だけでなく、傭車を活用する元請け事業者側の対応にも影響を及ぼしています。これまでは、必要に応じて傭車を柔軟に手配し、運行計画を組むことが比較的容易でした。しかし現在は、当然傭車ドライバーの労働時間も規制の対象となるため、元請け事業者側も傭車の稼働状況を把握したうえで手配しなければならないケースがあります。そのため、以前のように自由に活用することが難しくなっています。

[出典: 厚生労働省「時間外労働の上限規制 」]

ポイント2:「改善基準告示」の改正

時間外労働の上限規制と同時に、ドライバーの拘束時間や休息期間などを定める「改善基準告示」も、より厳格な内容へと改正されました。ドライバーの健康を守りながら安全な運行を確保するための基準であり、現場の労務管理に直結する重要な改正です。主な変更点は以下の通りです。

項目 改正前 改正後
1年の拘束時間 原則3,516時間 原則3,300時間(最大3,400時間)
1か月の拘束時間 原則293時間(最大320時間) 原則284時間(最大310時間)
1日の拘束時間 原則13時間(最大16時間) 原則13時間(最大15時間、宿泊を伴う場合は16時間まで可※諸条件あり)
1日の休息期間 継続8時間以上 継続11時間を基本とし、9時間を下回らない

特に、1か月の拘束時間が原則284時間へと短縮され、1日の休息期間が「継続8時間以上」から「継続11時間を基本とし、9時間を下回らない」へと延長された点は、運行計画への影響が大きい変更点です。

これにより、事業者側にはこれまで以上に緻密な運行計画と労務管理が求められています。なお、連続運転時間は4時間以内という原則自体に変更はありませんが、運転の中断時に休憩を取ることの位置づけがより明確になりました。

[出典: 厚生労働省「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」]

ポイント3:月60時間超の割増賃金率引き上げ

2024年問題そのものを引き起こした直接の要因ではありませんが、同時期に改正された関連するコスト面の変化として押さえておきたいのが割増賃金率の引き上げです。2023年4月1日から、それまで大企業のみに適用されていた「月60時間を超える時間外労働に対する50%以上の割増賃金率」の適用が、猶予期間を終えて中小企業にも拡大されました。

月60時間を超えてドライバーに時間外労働をさせた場合、事業者が支払う人件費はその分増加します。時間外労働の上限規制とこの割増賃金率の引き上げは、いわば両輪の関係にあり、長時間労働に頼った運行体制からの転換が、経営面からも求められる状況になっているということです。

[出典: 厚生労働省「時間外労働の割増賃金の引上げ」(文献名要確認)]

以上の3つのポイントが組み合わさることで、物流事業者には労働時間管理の厳格化とコスト増への対応という、これまでにない難易度の高い経営課題が突きつけられています。

【立場別】2024年問題がもたらす具体的な影響

2024年問題は、物流に関わる立場ごとに異なる形で影響を及ぼしています。ここでは以下の3者の視点から、2024年問題がもたらす影響についてそれぞれ詳しく解説します。

  • 物流事業者(運送事業者・倉庫運営者)への3つの影響
  • 荷主企業への3つの影響
  • 消費者・社会全体への影響

物流事業者(運送事業者・倉庫運営者)への3つの影響

物流の最前線を担う事業者には、経営の根幹に関わる影響が現実のものとなっています。

影響1:ドライバーの稼働時間減少による売上・利益の減少

一人あたりが対応できる走行距離や配送件数が制限された結果、長距離輸送を中心に運送会社の売上・利益が圧迫される場面は珍しくなくなりました。

特に限られた走行距離の中でいかに収益を確保するかは、車両台数やドライバー数に余裕のない中小規模の運送会社ほど重くのしかかる経営課題になっています。

従来と同じ売上水準を維持するために、車両1台あたりの積載効率を高めたり、稼働ルートそのものを見直したりする対応を迫られるケースも増えています。

影響2:収入減や労働環境を理由にしたドライバー不足の深刻化

時間外労働の減少で残業代が減ると、ドライバーの収入が減少します。そのことを理由に離職するドライバーも実際に出ており、もともと課題だったドライバー不足はさらに深刻化しています。

事業者としても、人件費が高騰する中で待遇を改善することは容易ではなく、女性・シニア層など多様な人材の採用を進める動きが出てきています。とはいえ、人材確保のハードルは上がり続けているのが実情です。

特に長距離輸送を担うドライバーほど、拘束時間の短縮によって従来の働き方そのものが成立しにくくなっており、担い手の確保が一段と難しくなっています。

影響3:荷役作業の負担増など、倉庫内作業へのしわ寄せ

ドライバーの拘束時間を圧縮するため、これまでドライバーが担うこともあった積み下ろし作業を、倉庫側の作業員が引き受けるケースが増えています。

それにより、特に出荷量の多い倉庫では、荷役要員の増員や、マテハン機器・自動化設備の追加導入といった対応を迫られています。倉庫運営の現場では、この荷役負担の増加にどう対応するかが新たな実務課題として浮上しています。

ドライバーの荷役参加を前提としてきた、作業フローそのものを見直す必要に迫られている倉庫も少なくありません。

荷主企業への3つの影響

商品を運んでもらう立場の荷主企業にとっても、2024年問題は他人事ではありません。

影響1:運賃の値上げによる物流コスト増大

運送会社の事業継続のため、人件費増加分は運賃へと転嫁される場面が増えます。その結果、荷主企業が負担する物流コストが上昇しています。

燃料費の上昇分と合わせて運賃改定を求められる場面は、大手・中小を問わず広がっており、価格転嫁が難しい業種ほど利益率への影響が大きくなっています。

影響2:配送遅延・長距離輸送の引き受け停止

ドライバー不足や労働時間規制により、長距離の輸送依頼を断られたり、希望通りの日時に配送できなかったりする事態が起きるようになっています。

特に地方向けの配送や、時間指定の細かい配送では、トラックの手配が難しくなる場面が常態化しつつあり、長距離輸送の方法や輸配送の管理が経営課題として扱われる企業も増えています。

影響3:集荷・納品スケジュールの見直しと調整の必要性

荷主側の検品や梱包といった準備が間に合わないことを理由に、納品スケジュールそのものを後ろ倒しにするケースも出てきています。

以前であれば、準備が整うまでドライバーを待たせておくことで対応できていましたが、拘束時間の規制が厳格化された現在はその運用が難しく、集荷・納品のタイミングそのものを荷主・運送会社双方で見直さざるを得なくなっています。

結果として、荷主側の生産・出荷計画も、ドライバーの拘束時間を前提に組み直す必要が生じています。

消費者・社会全体への影響

物流は社会を支えるインフラであり、その変化は消費者の暮らしにも及んでいます。

宅配便を中心に、送料の値上げや、当たり前だった「送料無料」サービスの縮小に踏み切るECサイトも増えました。ドライバー不足や労働時間規制への対応を背景に、配送事業者やEC事業者では、配送リードタイムやサービス内容を見直す動きもみられます。

また、以前からドライバーの労働時間を圧迫する一因とされてきた再配達についても問題視されています。国土交通省の調査では改善傾向にあるものの、2024年4月の時点では宅配便全体の1割強が再配達となっており、労働力に換算すると年間で約6万人分のドライバーの稼働に相当すると試算されています。

▼実態調査に基づく再配達率の推移

実態調査に基づく再配達率の推移

[出典: 国土交通省「宅配便の再配達削減に向けて」]

昨今、消費者側にも時間指定の見直しや置き配、コンビニ受け取りといった代替手段の活用が求められている背景には、こうした事情があります。

【立場別】今すぐ取り組むべき2024年問題の対策

深刻な影響が現実のものとなる中、物流事業者・荷主企業それぞれの立場で、今すぐ着手できる対策があります。ここでは、双方が取るべき具体的な対策を4つずつ紹介します。

  • 物流事業者(倉庫運営者)が取るべき4つの対策
  • 荷主企業が取るべき4つの対策

物流事業者(倉庫運営者)が取るべき4つの対策

ドライバー不足や倉庫内作業の負担増に直面する物流事業者には、労務管理からIT活用、拠点そのものの見直しまで、幅広い対応が求められています。

対策1:労働環境の改善と多様な人材の確保

ドライバー不足に対応するためには、働きがいのある職場環境を整備することが欠かせません。待遇面を見直すことで、定着率の向上が期待できます。具体的には、以下のような対策が挙げられます。

  • 給与体系の見直し
  • 福利厚生の充実
  • 休暇制度の柔軟化
  • 宿泊・休憩設備の改善

他にも、女性や若者、シニア層など、多様な人材が活躍できる柔軟な勤務体系の導入も、担い手の裾野を広げるうえで有効な一手です。

なお、現場で働く作業員は、本来の力量以上に踏ん張って業務をこなしてしまう傾向があり、その頑張りによって人手不足の深刻さが管理者側に伝わりにくいという側面もあります。数字上の帳尻が合っているように見えても、実際の適正人員には届いていないケースがある点に注意が必要です。

対策2:勤怠管理システムの導入とコンプライアンス遵守

時間外労働の上限規制を遵守するためには、ドライバーの労働時間を正確かつ客観的に把握することが欠かせないステップです。

そのためには、「デジタルタコグラフ」や「勤怠管理システム」を導入し、データに基づいた労務管理を徹底する必要があります。手作業での時間管理では見落としやすい拘束時間・休息期間の超過も、システム化によって早い段階で気づき、是正できるようになるでしょう。

ただ、長年のやり方に慣れたベテランドライバーほど、新しい機器の操作そのものに心理的な抵抗を感じやすい傾向があります。システムの機能や精度だけでなく、操作に不慣れな層への丁寧なフォローがあるかどうかが、定着の分かれ目になります。

また、労務管理の厳格化は、罰則対応という守りの側面だけでなく、ドライバーの健康維持という観点でも意味を持ちます。

対策3:IT・システムの導入による業務効率化

無駄な荷待ち時間を削減し、運行効率を向上させることも有効な対策の一つです。

その方法として、トラックの受付やバースへの誘導を効率化する「バース予約システム」や、車両の位置情報をリアルタイムで把握できる「動態管理システム」などを導入することが挙げられます。

到着時間が事前にわかるようになることで、ヤード内の混雑や、荷待ちによる現場の焦りを軽減する効果も期待できます。

対策4:倉庫内作業の自動化・省人化

ドライバーの荷役作業を倉庫側で引き受けるにあたり、積み下ろしや仕分け、保管といった作業を自動化・省人化することは有効な選択肢です。倉庫内では、積み下ろしや仕分け、搬送、保管といった作業にマテハン機器や物流ロボットを導入することで、作業員の負担軽減や省人化につなげられます。

ただし、自動化・省人化は導入すれば必ず効果が出るというものではありません。現場の作業フローに合わない機器は、「手作業の方が早い」と敬遠され、結局は稼働しないまま置かれてしまうケースもあるため、注意が必要です。

なお、倉庫内作業の自動化・省人化とは異なる観点ですが、2024年問題への対応策としては、輸送そのものを効率化する取り組みも重要です。その一つが、複数の事業者の荷物をまとめて運ぶ共同輸配送です。トラック1台あたりの積載率を高めることで、必要な車両台数やドライバーの稼働を抑え、限られた輸送力を効率的に活用できます。

一方、共同輸配送を実施するには、配送先や納品条件、荷物の特性などについて、参加企業間で調整する必要があります。

そのため、自社の課題が倉庫内作業にあるのか、輸送効率にあるのかを整理したうえで、現場の実態に合った施策を選ぶことが重要です。

荷主企業が取るべき4つの対策

2024年問題は、物流事業者側の対応だけでは限界があり、荷主企業側にも協力できることが数多くあります。

対策1:荷待ち時間・荷役作業の削減への協力

ドライバーの拘束時間のうち、大きな割合を占めるのが荷物の積み下ろしを待つ「荷待ち時間」と、実際の荷役時間です。それらを削減しドライバーの労働時間を削減するには、荷主企業の協力が不可欠となります。

その方法として、トラック予約受付システムを活用してトラックの到着時間を分散させたり、荷役作業を荷主側で分担したりすることで、ドライバーの負担を軽減できます。

荷待ち・荷役にかかる時間を可視化し、削減目標を運送会社と共有することも有効です。

対策2:発注ロットの平準化とリードタイムの見直し

特定の曜日や時間帯に集中しがちな発注を平準化することで、物流の繁閑差をなくし、輸送の効率化に貢献できます。

「翌日配送」が当たり前だった商慣行を見直し、余裕を持ったリードタイムを設定することも重要になってきています。

発注から納品までの流れを取引先と一緒に見直すことで、急な配送依頼による現場の負担も軽減されます。

対策3:輸送手段の見直し(モーダルシフト、共同配送)

長距離輸送をトラックだけに頼らず、鉄道や船舶輸送に切り替える「モーダルシフト」は有効な選択肢の一つです。

輸送距離が長い区間ほど、ドライバー一人あたりの負担軽減とコスト面のメリットが大きくなります。近隣の企業と連携し、同じ方面・納品先への配送を共同で行う「共同配送」も、積載率の向上とコスト削減に効果的です。

荷主企業同士が普段は競合関係にあっても、物流面では協力し合うという発想の転換が求められています。

対策4:輸送のパレット化・標準化の推進

手作業での積み下ろしは、ドライバーに身体的負担をかけ、時間を要する原因になります。そこで、荷物をパレットに載せて輸送する「パレット化」を推進したり、業界標準のパレットサイズに統一することで、フォークリフトを使った効率的な荷役の実現が可能です。

ただし、パレット化には注意点もあります。積み込み・積み下ろしの時間は大幅に短縮できる一方、貨物の形状やパレットの規格によっては積載効率の低下は否定できません。

それにより、必要なトラック台数が増え、輸送コストが上昇するケースも見られます。荷役時間の短縮というメリットと、積載効率・コストへの影響を天秤にかけながら、自社の貨物特性に合ったパレットサイズ・積み付け方法を選ぶことが、効果を最大化するポイントです。

これらの対策に加えて、物流拠点そのものを見直すことも有効な一手です。特に以下のような強みを備えた物流拠点への転換は、2024年問題がもたらす課題に対応するうえで大きなメリットを生みます。

  • 人材確保に有利な立地
  • 都心へのアクセスが良い立地
  • BCP対策が施された最新施設 など

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【今後の展望】2026年問題との違いとは?

2024年問題への対応と並行して、物流業界ではもう一つの大きな変化がすでに現実のものとなっています。それが「2026年問題」です。

「2024年問題」がトラックドライバーの働き方に関するルール変更であるのに対し、「2026年問題」は改正物流効率化法の施行に伴う、荷主企業や物流業界全体の構造改革を指す言葉です。

改正物流効率化法は段階的に施行され、2025年4月からすべての荷主・物流事業者などに物流効率化の努力義務が課されています。さらに2026年4月からは、一定規模以上の事業者に中長期計画の作成や定期報告などが義務付けられ、年間取扱貨物重量が9万トン以上の特定荷主などには、物流統括管理者(CLO)の選任も求められます。

つまり、2026年4月からは一定規模以上の事業者に、より具体的な義務が追加された点が大きな特徴です。

比較項目 2024年問題 2026年問題
主な対象 トラックドライバー(物流事業者) 荷主、物流事業者、業界全体
目的 ドライバーの働き方改革、長時間労働の是正 物流業界全体の構造改革、生産性向上、持続可能な物流の実現
具体的な内容 時間外労働の上限規制(年960時間)、改善基準告示の改正 物流効率化に向けた荷主・物流事業者の努力義務、特定事業者への中長期計画の作成・定期報告、特定荷主・特定連鎖化事業者への物流統括管理者(CLO)の選任など

両者は名前が似ているうえに時期も近いことから、「どちらもドライバー不足に関する話」と一括りに捉えられてしまうことが少なくありません。しかし2024年問題がドライバー個人の労働時間というミクロな規制であるのに対し、2026年問題は、荷主・運送事業者・業界全体に根付いてきた商慣行そのものにメスを入れる、よりマクロな構造改革です。

2024年問題によって顕在化した輸送力不足という課題を、業界の仕組みそのものを変えることで解決しようとする流れの延長線上に、2026年問題は位置づけられています。

自社が特定荷主に該当するかどうかにかかわらず、取引先である運送事業者・倉庫運営者と一体になって物流を見直す動きは、今後さらに広がっていくと考えられます。

まとめ:2024年問題は関係者全員で乗り越えるべき課題

2024年4月の施行から2年以上が経った現在、2024年問題は物流業界における一時的な混乱ではなく、構造的な課題として定着しています。

働き方改革関連法によるトラックドライバーの時間外労働の上限規制を発端に、物流事業者にはドライバー不足や倉庫内作業の負担増、荷主企業には物流コストの増大や納品スケジュールの見直しといった影響が、実際に生じ続けています。

こうした状況に対応するため、物流事業者には労働環境の改善やIT化・自動化の推進、荷主企業には荷待ち時間の削減への協力やモーダルシフト・パレット化の推進といった対策が求められます。ただし、いずれの対策も一方だけの努力では十分な効果を発揮しません。

2024年問題は、物流事業者と荷主が互いに協力し、それぞれの立場でできる対策を着実に実行していくことでしか、根本的な解決には向かわない課題だと言えるでしょう。

【PR】2024年問題の対策を加速する最新物流拠点「東京流通センター(TRC)」

2024年問題への有効な対応策として、労働環境の改善や勤怠管理の徹底、IT化・自動化の推進、パレット化やモーダルシフトといった施策をご紹介しました。しかし、こうした個別の対策を積み重ねるだけでは、ドライバー不足や災害リスクといった、より構造的な課題への根本対応としては十分とは言えません。

そこでおすすめしたいのが、物流拠点そのものの見直しです。倉庫内の効率化だけでなく、そもそもどこに拠点を構えるかという意思決定は、人材確保のしやすさから災害時の事業継続性まで、2024年問題がもたらす課題の多くに直結しています。

物流拠点を選ぶ際に特に重視すべきなのが、以下の3点です。

  • 立地
  • 人材の確保力
  • BCP(事業継続計画)対策

立地面では、最寄り駅からのアクセスが良く、人が集まりやすい拠点であるほど、慢性化するドライバー・倉庫内作業員の採用において有利に働きます。加えて、空港・港湾・高速道路のインターチェンジといった主要インフラへのアクセスが良い立地であれば、輸送ルートそのものの効率化にもつながります。

さらにBCP対策は、地震や水害といった自然災害が発生した際にも、物流機能を止めないための備えです。免震構造や非常用発電設備の有無は、平時には意識されにくいものの、有事の際の事業継続力を大きく左右します。

これらの条件を高い水準で備えているのが、「東京流通センター(TRC)物流ビルA棟」です。

「人が集まる」駅前立地と、災害に強い最新スペック

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2024年問題の解決に向けて、TRC物流ビルA棟は以下の強みを備えています。

  • 好立地による配送効率化:羽田空港・東京港・首都高速のインターチェンジに近接し、都心部へのラストワンマイル配送から全国への広域配送まで、物流ネットワークの拠点として最適なロケーションです。
  • 人材確保の優位性:駅前立地と充実したアメニティにより、昨今の物流業界の課題である人材確保において極めて有利です。
  • 万全のBCP対策:免震構造や非常用発電設備を備え、万が一の災害時にも物流機能の維持に貢献する先進的な物流施設です。

2024年問題という大きな変化を、物流戦略を抜本的に見直す好機と捉え、TRCと共に持続可能な物流体制を構築しませんか。

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この記事の監修

東京流通センター 物流ビル運営チーム

物流ビルA棟・B棟の施設運営知見をもとに情報発信をしています。